
目次
はじめに
令和6年度6月16日(日)、東京流通センターにて、表題の資格に関する一次試験が実施されました。
本稿では、受験者である当方の自己採点も兼ねて、当試験の科目(I)の解答速報を掲載します。言うまでもなく本稿はNITSその他試験実施団体とは一切の関係のない個人の見解を発表するものです。正確性等に関して一切保証しませんし、本稿の情報によって引き起こされた損害についても一切責任を負いません。あくまで「一受験者の答え合わせ」がここに載っているということをご認識の上ご覧いただければと思います。なお、内容に関するコメントは大歓迎です。正誤に関してでも、試験そのものの感想でも、自由にお書きください。
今年からはじまったため過去問のない試験で勉強が難しかったり、受験者が少ない(60名程度でしたか?)こともあり、みんな孤独で暗中模索の日々だったと思います。ここで語り合いましょう。
今出先でスマホからページを作成しているため、改行が上手くいっていないこととか、レイアウト崩れ等ご了承ください。
解答予想
結論から。なお、試験問題に関しては複製・再頒布禁止のアナウンスはないものの、ここには掲示しません。そのうち公式ホームページに載ると思いますが、どうしても待ちきれず問題が気になる方は個別にお問い合わせください。
- ウ
- イ
- イ
- ア
- ウ
- イ
- ウ
- ウ
- ア
- エ
- エ
- ウ
- ア
- ア
- ウ
- ア
- エ
- イ
- ウ
- イ
簡単な解説
問1 ウ
「消極教育」はルソー、「タブラ・ラサ」はロック、「無知の知」はソクラテスです。これは覚えてるかどうかですね。
問2 イ
これも覚えているかどうかですが、初代文部大臣の森有礼、「海外経験豊富で自主独立を理念とする東京の私大を開いた」から福沢諭吉の連想までは行き着いたとしても、井上毅と新島襄の2択を迫られるという意地悪な出題。教育勅語が井上毅です。ちなみに、①の私立大学は同志社大学です。
問3 イ
4つの選択肢から教育基本法条文「でない」ものを選択する問題です。内容もそうですが、法の下に平等で「あつて」という古い言葉遣いから、イは日本国憲法の条文であることを推測できます。
問4 ア
学校教育法の条文の穴埋め問題です。下記リンクをご参照ください。要するに高校教育の目的は、「国家社会の形成者として、専門的な知識・技能を身につけ、個性の確立に努める」ということです。
問5 ウ
地方公務員法に関しては「全体の奉仕者」という重要語句を押さえましょう。
教育公務員特例法22条の研修に関しては、「授業に支障がない限り、本属長の承認を受けて」です。
本務や任命権者もそれっぽい用語なのですが、教育基本法において「法律に定める学校の教員は、自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研究と修養に励み、その職責の遂行に努めなければならない」とあることから、研修を受けることも本務に含まれると解釈することができることと、個別の教員の研修の許可をいちいち任命権者(教育委員会)が出すか?ということから、2択から除外することもできます。
問6 〜 問10
高等学校学習指導要領の穴埋めです。下記リンクをご参照ください。
https://www.mext.go.jp/sports/content/1384661_6_1_2.pdf
問6 イ
「学びに向かう力」というキーワードを選ぶことができれば、「知識をより多く身につけて」か「知識を相互に関連付けて」の2択になり、最近のトレンド的に前者は消去できるため、イを選択できる問題です。
問7 ウ
最終行で進路指導に関する記述だとわかることから、①が社会の発展ではなく自己の将来だとわかります。すると、③も教育相談ではなくキャリア教育を選択できるため、ウだとわかります。
問8 ウ
①が「社会構造」だと、3行目に合いません。
②についても「国際理解」という語が出ているため、「グローバル」を選択すると重複します。これは探究学習に関する記述なので、④で「自身のキャリア」も取りえません。というわけでウを選択します。
問9 ア
指導要領の当該部分を読んでいないと難しい問題だと思いますが、「道徳教育」であることから③は「将来の生き方や進路」よりも「人間としての在り方生き方」の方が適切で、④の目標は「実践意欲と態度」よりも「道徳性」の方が適切です。この2つを満たすのがアなのでアを選択できます。
①と根本精神という用語は他でなかなか見なかったのと、②の「個性の伸長」は学校教育法51条で出て見覚えがあることから悩みますが、③・④を選ぶことができれば正当できる問題です。
問10 エ
ホームルームは「生活づくり」の場です。
明らかに選択しやすいのは③で、ホームルーム組織は階層型である必要がないし、経験的に階層構造ではなかったのではないでしょうか。③で「主体的に」を選んだとすると、①、②、④すべてが異なる2択となります。強いていうなら、「生徒会など」から始まる文章なので、個人ではなく集団に関する文章だと判断できるのでエを選択するという感じでしょうか。
以上5問は例えば「個性の伸長」と「自己実現」など、どちらでも文の意味が通る用語の正誤を判断しなければならない問題もあり、覚えているかどうかを問われているものですが、覚えていない場合は以上のような推測から判断できるかと思います。従来型の知識詰め込み型と言われる教育から、話し合いやまとめ学習・調べ学習を通した知識活用型の教育へと転換しようとしているというトレンドを押さえておくことも判断の助けになるかと思います。
問11 エ
生徒指導提要の穴埋めです。以下リンクをご参照ください。
https://www.mext.go.jp/content/20230220-mxt_jidou01-000024699-201-1.pdf
社会に受け入れられる① という記述から、「他者理解」では文がつながりません。よって①は「自己実現」です。また、②は自己指導能力です。規範意識とは、「誰かの手本になる」という意識のことで、「自己理解し、課題を発見し、行動を決断し実行する」という文意とは合いません。よって答えはエです。
問12 ウ
学習障害(LD)に関して不適切な記述を選ぶものです。ウの通級による指導を「必須とする」の部分が誤りで、LDにかかわらず、学習支援は通級以外にも様々あり、ケースバイケースで支援を選択できるようになっています。
ア、イはLDの特性を説明したもので除外できたかもしれませんが、エの「LDにより生徒の自己評価低下が見られる場合は自己理解や自己有能感を高める」はLDにかかわらず正しそうに見えるので、悩むところだったかもしれません。国立特別支援総合研究所・発達教育推進センターにまったく同様の記述があったため、ここからの出題だったのかもしれません。
https://cpedd.nise.go.jp/faqs/faq_questions/view/5178/22ac27634304fafae267f71270cbcf97?frame_id=4919
だとすると急に試験範囲が広がった感じがしますね。ともあれ、特別支援は通級に限らず様々な選択がケースバイケースで可能という原則を踏まえ、ウを選択できればOKです。
問13 ア
ハヴィガーストの提唱した青年期の発達課題について、例えば以下サイトをご参照ください。
https://prenurseacademia.com/havighursts-developmental-theory/502/
日常生活に必要な概念の発達は児童期、市民的責任を負うことは壮年期、善悪の区別や良心の学習は幼少期です。それぞれの期にたくさん項目があるので難しいですね。
問14 ア
学習の理論とその提唱者のマッチングを選ぶ問題です。覚えてるかどうかですね。
問15 ウ
令和3年中教審答申「『令和の日本型教育』の構築を目指して〜(略)」の内容です。以下リンクをご参照ください。
https://www.mext.go.jp/content/20210126-mxt_syoto02-000012321_2-4.pdf
誤った記述を選択するものですが、進学率が99%に達していること、入学動機進路希望学習経験や生活背景の多様性、選挙権年齢や成年年齢が18才に引き下げられることは正しいため、ウが正解となります。イの多様性は言うまでもなくそうで、エの選挙権年齢と成年年齢の引き下げもニュース等でご存知とは思いますが、高校の進学率が99%である点は「もしかしたら98とかかも?」と思って自信がなくなりますね。ウの「高校では中学に比べて学習意欲が向上」も「なきにしもあらず」な話なのでなおさら。
ともあれ2択までは絞れる問題です。
問16 〜問18
高校指導要領のうち、各教科に共通する教科としての情報に関する問題です。以下リンクをご参照ください。
https://www.mext.go.jp/content/1407073_11_1_2.pdf
問16 ア
①は文意から明らかにコミュニケーションです。④も「目標や価値を持った情報」では文意が通りません(情報を扱う私たちに目標はあっても、情報自体は目標を持たないはずです)。なので、「目的や意図」を選択することになり、解答はアとなります。
問17 エ
まず明らかに選択できるのは③で、ここでは技術的な話をしているので選択するのは相手ではなくプロトコルです。この時点で①は「クライアントやサーバ」に限定されます。④の態度と思考力はどちらでも文意が通るので選択を保留するとして、問題は②の「通信機器」か「構成要素」です。①を踏まえると問題は、
「情報通信ネットワークを構成するクライアントやサーバ、ハブ、ルータなどの②の役割について理解するようにし」
となるのですが、ハブ・ルータは通信機器ですが、クライアントやサーバは通信機器ではないですよね。というわけで構成要素を選択し、解答はエとなります。
問18 イ
。
問19 ウ
訂正があった問題ですね。
Python(っぽい言語)で二分探索アルゴリズムを実行するプログラムでした。
Pythonの配列って0番目から始まるんだっけ…?という懸念が全てなのですが、1番目から始まるとすると①が5になるため、0番目から始まってないと選択肢に解答がないことになります。0番目からはじめると4です。②に関しては、計算量Oを考えるまでもなく、探索範囲が半分になるアルゴリズムを100回も回せないことはわかるはずです。この問題は応用情報ホルダーの受験者的には特に問題なかったのではないでしょうか。僕はウを選びましたが、皆さんも一緒ですよね…?
配列が0からか1からかを「わからせてくれる」優しい問題設計のおかげで助かりました。
問20 イ
これは不覚でした。解説は以下リンクをご参照ください。
https://www.business-research-lab.com/221228-2/
④が名義尺度という点でイ・ウの2択には絞れます。あとは間隔尺度と比例尺度の違いを知っているか、順序尺度を理解していれば解けた問題でしょう。ともあれこれは対策しようがなかった感があります。
おわりに
以上、解答速報と簡単な解説でした。基本的に学者学説に関する正誤問題や条文等の穴埋めに関してはこれでいいんじゃないかな?と思います。気になる方はリンク先でctrl+Fしてみてください。
問19のプログラミングに関しては皆さんもウでしたか?
さて、今年から始まった試験で過去問もなく、何がどれくらい出題されるかわからず、勉強にも身が入りにくい、難しい試験だったと思います。偉そうに解説を書いている僕にとってももちろんそうです。
受験者みなさんが初めて見た問題形式で、きっと驚いたことと思います。20問のマークシートが渡された時の「間違いの許されなさ」や学習指導要領からの出題の多さなど、ヤマが外れた方は戦慄だったのではないでしょうか。
多くの方は教職教養のテキストを読んでおり、指導要領や提要、中教審答申といった行政文書を読み込んでいる方は見受けられませんでした。もちろんテキスト中でも上記文書は触れられるのですが、逆にいうとテキストでさえ触れられていないレベルのマニアックな出題もありましたよね。数100ページの行政文書が数本ある中でその出題に何の意味が?と思うものも正直あります。「技術」と「技能」の正誤判定とか。
あと問20の尺度の判定は意表をつきすぎているように感じます。まあたしかにIPA試験であまり見ないからこそ応用情報技術者ホルダーの僕たちに刺さるのですが…。
逆に免許状や教育行政に関する出題がほぼなかったのは意外でした。試験で免許を得ようとする人間にこそこの辺りを問うのかなと思っていたのですが。
こういった意味で「ヤマが外れた」と感じる方が多いでしょうし、僕だってそうなのですが、だからといって公表されていた出題範囲を読むに、やっぱり教職教養のテキストを読むこと以外は発想しにくいですよね。いや、現役教員の方や教員免許持ちの方ならわかるのかもしれませんが。
一方で、IPAの午前試験のように知識量を問うのではなく、推測可能な選択肢によって条文の暗記というよりも理解を問われる問題が多い印象があります。これも意外な点でした。
*
ともあれ受験者のみなさんお疲れ様でした。私のような若年者のみならず、40〜50代と見られる方も多かったです。また、科目(II)の免除者もほとんどいなかったことから、現役教員の方は少なかったように思います。それぞれどこから、どんな想いで集まったのかわかりませんが、はじめて施行される試験に決して安くない受験料を支払うのはチャレンジングなことだと思います。
なかなか共有できない不安や苦しみや葛藤もあったと思いますが、少なくともここに一人仲間がいます。ひとまず今日はお疲れ様でした!自分を労いましょうね。
今度は2次試験でお会いできるといいですね。
追記
問18は公式発表で「イ」とのことでしたので訂正しました。
追記2
8/28に一次試験の合格発表があり、僕は無事にパスしていました。二次試験でお会いしましょう!









こんにちは。解答速報、早いですね。
復習に使わせていただきました。
問6はウではなく、イですかね。
問19は私も「Pythonの配列って0番目から始まるんだっけ」と思って一瞬焦りましたが、知識力ではなく理解力を問う問題でよかったです。
②も直感的には10回とわかるのですが、自信がなかったので余りに余った時間で書き出してあっていることを確認したのでウで間違いないと思います。
(II)は完全にヤマが外れました。きっとICTとかGIGAスクール構想とか、その辺を狙ってくると思ったのですが、ノーマークだった「ウェルビーイングの実現」「ヤングケアラー」が問われるとは・・・。言葉を知っていなくても説明があったので助かりましたが、私の場合、完全に雰囲気で書くしかなかったです。
コメントありがとうございます!
受験者約60人のうち誰か見つけてくれるだろうかと不安になりながら書いたので、みてくださりコメントもいただき嬉しいです。
おっしゃる通り問6はイですね。ご指摘ありがとうございます。
僕も同様に、IIは教育現場でのICT活用とかその辺りを予感してましたが、意外な感じでしたね。言葉の定義が書いてあったのがせめてもの救いでしたね。
ともあれお疲れ様でした。2次試験でお会いできるといいですね!
試験お疲れ様でした。
解答速報の共有ありがとうございます。
思っていた試験の内容と全く違い、拍子抜けしてしまいました。
問19は私もウを選択しました。
二分探索のようなアルゴリズムでしたので、長さ10000のリストに対して繰り返し2分割していくと13回で1に到達します。2を底とする対数log_2(10000) = 13.28… なので10回程度ということなのかなと考えました。
受験者さん、コメントありがとうございます。
拍子抜けでしたか。試験範囲が特定しづらいだけに、勉強した部分が出ない脱力感がありますね。
問19は応用情報ホルダーだけあってみんな大丈夫そうですね。
お疲れ様でした。2次試験でお会いできるといいですね!
回答の共有いただいきありがとうございます!
参考になりました。各種学校(専修学校)の教員経験はあるのですが、教員免許持ってなく受験してみました。
教育学を勉強したことがないので 、対策として教育学の基礎的な勉強をして、高校の学習指導要領の読み込みをしました。
個人的にIT×心理学を学んでるので(II)は解きやすかったかもしれません。採点者がどう判断するかわかりませんが。
コメントありがとうございます!
学習指導要領の読み込み、見事に当たりましたね。僕はほとんど読んでおらず、解説中にあるような推測を重ねていたため、時間いっぱい使っての解答となりました。
科目(II)も評価基準が明示されていないのでなんとも言えないですね。僕はいずれもITの観点を入れずに記述したので、情報教員試験らしく、ICTを取り入れることについても言及すべきだったかも、と反省しております。
ともあれお疲れ様でした!2次試験でお会いできるといいですね。