僕は15年間ジュンスカを聴いて生きてきたんだーデビュー35周年に寄せて。

1988年5月21日はjun sky walker(s)のデビュー日で、今日2023年5月21日はデビュー35周年記念日だ。

ジュンスカを息子と一緒に歌うことが僕の母の夢だったらしい。こんなに叶う確率の低い夢をよく叶えたと思う。

母が僕にジュンスカを聴くよう強いることはなかったが、彼らが20周年で再結成したときにリリースした「青春」がテレビで流れた時、「昔好きだったバンドなの」と教えてくれて、一緒に聴いた。小学生の当時は歌詞なんて聴いていなかったが、パンクは胸に直接響く。それから、母にCDを借りてアルバムを聴いた。

小学生だった少年は大学院生になった。高専に入学してから10年が経ち、色々あった学生生活も終わりが近づいている。来年で就職というちょうどいい区切もあるので、自分がバイブルだと思っている本を読み直し、親しい友人や先生に会いに行き、自分を見つめなおしている。就職活動では過去の活動を棚卸ししながら、その活動量に驚かされ、同時に今の自分との隔絶を感じざるをえない。その時知り合い、育てて頂いた多くの方々、中には期待をかけてくださった方もいて申し訳ないのだが、この10年で多くの種をまき、その芽を摘んだ。そしてこれ以上の可能性を試す時間はないし、何より何かが残っているとは思っていない。あの時自転車を漕ぎながら「全部このままで」を全力で歌っていたあの気持ちのまま生きていけると思っていた。「過ぎていく時間だけで歳をとったりしない」ように、何かを積み重ねたかった。何者かになりたかった。でも僕はむしろ、「過ぎていく時間だけで歳をとったりしない」からこそ、「希望を失う」のだと、24歳の今、歌詞の解釈をあらためている。これも将来、ツエをつく頃にはわかる。

こう書くとご心配をおかけするかもしれないが、僕は決して不幸ではない。これまでの10年はとても幸せだった。出会いが出会いを呼んでくれて、列挙するとキリがないくらい、嬉しいことも、悲しいことも、楽しいことも、憤ることもあって、毎日が豊かで満たされていた。高専に入ってから、僕は別人になって10年を過ごせた。また10年が経ち、また自分をリセットする時期になっている気がしている。僕は「変われなかった」。

つい数日前に、ジュンスカの新曲が配信リリースされた。ずっとヘビロテしている。

彼らは僕が生まれた時にはすでに解散していた。彼らが自身の過去をオマージュしながらリスタートを歌う新曲は、僕にとって懐古的に味わうものではなく、大げさだけど、この15年間をともに生きたことを実感させる記念碑的な存在だ。

僕はこの10年間で「変われなかった」一方で、「変わっちまった」のだと思う。あれだけ好きだった旅が今は嫌いになってしまったように、幸/不幸も変わった。

「変われなかった自分も、変わっちまった自分も 抱きしめて」

「過去の記憶は道標」

「今の自分を離さないで」

彼らは今も過去も肯定する詩と音で35周年という節目を飾る。これは自身だけでなく、ファンへの祝福にも思える。僕は「今の自分」が確信を持って選んだ次の進路への祝福として受け取った。

そして、この祝福はこの曲単独ではなく、これまで聴いてきた彼らの曲と相まって響く。

そうだ。僕は15年間ジュンスカを聴いて生きてきたんだ。

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